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2018.04.04

お知らせ

AEDの設置基準について

突然の心停止において、公共スペースに設置しておいたAEDが効果を発揮することは知られていますが、
その一方でAEDの設置場所に関しては、具体的な基準はあまり知られていません。

そこで参考にしたいのが、「AEDの適正配置に関するガイドライン」です。
平成25年9月に厚生労働省から出されたもので、設置の必要性を説く内容となっています。
ぜひとも設置判断の基準としてご覧ください。

≪厚生労働省:一般財団法人日本救急医療財団≫AEDの適正配置に関するガイドライン

AED設置が求められる施設とは

救命率の差というのは、心停止が発生した場所によって大きく異なります。
そのため、AEDをより効果的に活用するには以下のような考慮が必要だとされています。

【AEDの効果的・効率的設置に当たって考慮すべきこと】
1.心停止(中でも電気ショックの適応である心室細動)の発生頻度が高い(人が多い、ハイリスクな人が多い)
2.心停止のリスクがあるイベントが行われる
(心臓振盪のリスクがある球場、マラソンなどリスクの高いスポーツが行われる競技場など)
3.救助の手がある/心停止を目撃される可能性が高い(人が多い、視界がよい)
4.救急隊到着までに時間を要する(旅客機、遠隔地、島しょ部、山間等)

上記を踏まえて、AED設置が推奨される施設は以下のようになっています。
【AEDの設置が考慮される施設(例)】
[1]駅・空港
[2]旅客機、長距離列車・長距離旅客船等の長距離輸送機関
[3]スポーツジムおよびスポーツ関連施設
[4]デパート・スーパー・飲食店などを含む大規模な商業施設
[5]多数集客施設
[6]市役所、公民館、市民会館等の比較的規模の大きな公共施設
[7]交番、消防署等の人口密集地域にある公共施設
[8]高齢者のための介護・福祉施設
[9]学校(小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校等)
[10]会社、工場、作業場
[11]遊興施設
[12]大規模なホテル・コンベンション
[13]その他
[13-1]一次救命処置の効果的実施が求められるサービス
[13-2]島しょ部および山間部などの遠隔地・過疎地、山岳地域など、救急隊や医療の提供までに時間を要する場所

AEDの効果的な配置方法は?

AED普及の実態と効果を検証した調査において、AEDによる除細動は心停止から平均3分以内に行われています。

また、市民が心停止を目撃してから、119番通報するまでに2~3分を要することが研究で示されています。

そのためには以下のように、AED設置密度を考慮し、電気ショックまでの時間を短縮する工夫が必要です。
【AEDの設置が考慮される施設(例)】
1.心停止から5分以内に除細動が可能な配置
- 現場から片道1分以内の密度で配置
- 高層ビルなどではエレベーターや階段等の近くへの配置
- 広い工場などでは、AED配置場所への通報によって、AED管理者が現場に直行する体制、
自転車やバイク等の移動手段を活用した時間短縮を考慮
2.分かりやすい場所(入口付近、普段から目に入る場所、多くの人が通る場所、目立つ看板)
3.誰もがアクセスできる(カギをかけない、あるいはガードマン等、常に使用できる人がいる)
4.心停止のリスクがある場所(運動場や体育館等)の近くへの配置
5.AED配置場所の周知(施設案内図へのAED配置図の表示、エレベーター内パネルにAED配置フロアの明示等)
6.壊れにくく管理しやすい環境への配置

その他AEDが求められる環境

上記のような施設以外にも、パトカーや消防自動車にAEDを搭載するなど、広範囲を網羅するような活用方法もあります。

また、大規模なマラソン大会や、ボールや人間同士がぶつかるような野球、空手、サッカー、ラグビー等の競技は
若年者の突然死のうち20%を占めることが明らかになっています。

先述したとおり、「5分以内に除細動が可能な配置」というのがポイントです。
ご紹介したガイドラインも参考にしながら、AEDを設置する必要があるのかどうか、
また、設置するのであればどこに設置すべきかをご検討ください。